防衛機制の種類と内容

 

前ページ(6)で述べた防衛機制について少し詳しく説明します。

人は不安な状況に置かれた時、

自分の精神状態を守るため、無意識のうちに「防衛機制」を働かせます。

「防衛規制」を用いると、不安が減り、安定感が得られるので、

「適応規制」であると言われています。

しかし通常は正常に働くべきこの機能が固定されてしまったり、

過剰に使用されるときには、外界の現実への柔軟な対応を困難にさせ、

不適応をもたらすのです。

防衛規制には、下記のような種類があります。


抑圧 … 受け入れがたい観念や、それに伴う情動を意識から追い出し、
無意識に留めておこうとすること。

この働き自体が無意識の規制である。
抑圧されたものは意識からは追放されるが、消滅するのではなく、
再び意識の中に現れ出ようとするため、
抑圧がさらに強化されたり、他の防衛規制が動員されたりする。
沈黙を続ける患者には、抑圧が働いている。

否認 … 受け入れがたい現実を知覚することを、拒絶すること。
多くの場合、抑圧と同時に働く。
否認により、知覚の空白が生じる。(記憶の喪失)
知覚の空白は、願望充足的な知覚により埋められることがある。

隔離 … イヤなものは切り離して、心に入れないこと。
深刻な話を冷静に語り続ける患者に見られる。

取り消し  不快なことを、なかったことにしてしまうこと。

投射 … 受け入れがたい自分の衝動や情動を、他者やその他の
非人格的対象に属すると知覚することをいう。

例えば、他者に対して憎しみを抱いているときに、
自分ではなく他者がその憎しみをもち、
自分を攻撃してくると感じる場合がそれである。

同一化 … 他者の人格特性やその他の属性を、自分のものとして獲得すること。
例えば、愛する人や、逆に自分を苦しめる攻撃者の
属性(くせや性格等)を、身に付けることがある。

置き換え … 衝動の対象や、衝動の充足方法を、他に向けることをいう。
例えば、権威を奮う父親を憎んでいる子供が、
他の代理的対象である権威としての教師に、憎しみを向けたりする。
他に、不快な出来事を、儀式的な強迫行為に置きかえることもある。

反動形成 … 心で思うことと、表現されるものが逆になること。
大変に憎いと思う相手に対し、過剰に丁寧に礼儀正しく、
または親切に優しく、振舞ったりすること。
礼儀正しい社交的態度の患者に見られる。


他にも、退行知性化などがあります。

これらは病的な症状ではなくても、誰にも思い当たるはずの心の規制です。

「自分でも不思議。なぜかこんな行動をしてしまう。

なぜかこんな風に思ってしまう」と

いう時には、防衛規制が働いていることが多いのです。

これらを自覚すると、まず、防衛規制を働かせてしまう「不安な対象」が

何なのか知ることが出来るでしょう。

次に、「不安な対象」をまっすぐに見て、なぜそれが自分に恐怖感を与えるのか

考えることが出来るようになります。

それが本当に生命を脅かすような危険でないのなら、

恐怖感を癒すことで、防衛規制で生まれていた

自分の不可解な行動は消えていきます。

恐怖感を癒すには、最初に、その恐怖が何なのかを、

しっかりと自覚しなければならないのです。

自分に働いている防衛規制を自覚することの意味が、そこにあるのです。

 上に

HOME